カテゴリー「展覧会」の3件の記事

2009年8月21日 (金)

古代エジプトへトリップ

アイーダ初日まで、約一週間。心はすでに古代エジプト。

 

上野の東京都美術館で開催中の「トリノ・エジプト展」に行ってきました。

 

ほんとうは、横浜で開催中の「海のエジプト展」の方がいいかなと思っていたのですが、

入場料の差でこちらへ。(セコイが節約が大事!)

なぜにエジプトの展示なのにトリノ?と思いましたが、

イタリアにある「トリノ・エジプト博物館」の所蔵品の日本初公開というわけでした。

それでも、「なぜ?」という感じですが、要はナポレオンのエジプト遠征時の略奪品?

といったら聞こえは悪いけれど、とにかくエジプトではなく、

イタリアの博物館に展示されるに至った貴重なコレクションは、世界屈指ともいわれ、

とくに彫像ギャラリーの演出がすばらしいらしい(現地博物館)。

今回も、ツタンカーメンをはじめ、オシリス神をかたどった王の巨大な頭像とか、

ライオン頭の女神像とか見ごたえありました。

まあ、「海のエジプト展」では5メートルのファラオ像が売り物だったので、

それには(大きさでは)かなわなかったかもしれませんが、

神とならび、神より小さく作られたツタンカーメン像は(少年王ではあるけれど)、

当時の神の存在の大きさを感じさせ、古代エジプトという時代の雰囲気を、

十分に伝えてくれました。

 

古代エジプト神話の神についても、ほんの少しお勉強。

オシリス神は、冥界の神とされていますが、キリストのように「復活」し、

死後も蘇えるためにミイラにする、という信仰の発端となった神です。

つまりミイラ第一号というわけ。

で、その神話ですが、オシリスは神であり、古代エジプトの王でしたが、

その力をねたんだ弟のセトに殺されてしまいます。

オシリスとセトの妻は、二人の妹で、オシリスの妻はイシス。

イシス神は母性の神であり、殺されたオシリスを復活させ、

二人の子ホルスを身ごもり、

さらにセトによりバラバラにされたオシリスの身体を集めてつなぎあわせるなど、

大活躍をしました。

「アイーダ」のなかにも、ファラオが歌う歌詞の中に「イシスの神」とでてきます。

あと、やっぱり興味を持ってしまったのは、兄と妹で夫婦ってことで、

この時代はありだったようですね、神だし。

宝塚版の「王家に捧ぐ歌」では、兄のウバルトの妹アイーダに対する愛憎が、

近親相姦すれすれの感じを漂わせていたのは(大劇場バージョン限定)、

汐美ウバルト、いい役作りだったのかなと。

今回の宮川ウバルトがどうかはわかりませんけれど。

 

脱線してしまいました。

展示では、パピルスに残されたエジプト文字、ヒエログラフや、

ステラといわれる石碑などもおもしろかったですが、

やはり注目はミイラでしたね。おとなのとこどものとありました。

あ、そうそう猫のミイラのひつぎなんていうのもありました。

動物も神としてあがめられていたんですね。

猫、ハヤブサ、ジャッカル、カバも妊婦の神とかだったり。

 

古代エジプトの年表もありました。

おもわず、エジプトとエチオピアの戦いがあったのはいつ頃なのかな、と。

もちろん、ありませんでしたよ。やはりあれは物語の中だけのことらしい。

 

エチオピアの王女アイーダは、エジプトのエチオピア侵攻で捕虜となり、

将軍ラダメスによってエジプトにつれてこられます。

やがて二人の間には恋が芽生えますが、アイーダの父である、

エチオピア王アモナスロは、エジプト王ファラオの暗殺をくわだて、

再び両国は戦います。そんな中で、愛し合う二人は究極の選択を迫られるのです。

祖国(家族)と、愛する人と、どちらを選ぶのか。

 

「The Musical AIDA」の初日は、8月29日(土)です!

 

ANCIENT EGYPT in TORINO

「トリノ・エジプト展-イタリアが愛した美の遺産-」

2009.8.1-10.4 東京都美術館

 

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2009年6月 4日 (木)

幸せな子ども時代(その2)

「展覧会」というカテゴリーを作りながら、ゾーヴァ展だけなのは、あんまりなので。

というか、そもそも、この展覧会に行く予定だったので、立てたようなものなので。

 

もうとっくに終わってしまっていますが、

「ムーミン展」

2009年4月29日-5月18日  大丸ミュージアム・東京

もちろん行ってきました。最終日に。

 

今回の展覧会は、日本・フィンランド修交90周年の記念のもので、

フィンランドのタンペレ市立美術館・ムーミン谷博物館に所蔵されている、

トーベ・ヤンソンによる原画やスケッチなど約170点が展示されました。

ほんとうは、ヤンソンのパートナーであるトゥーリッキ・ピエティラらの手になる、

ムーミン屋敷の立体模型も展示されると誤解していて、

いちばんの楽しみにしていたのですが、展示されていたのは、

ムーミンの立体模型で、もちろんこれも門外不出、

日本初公開の貴重品ではありました。

それにしても、あらためて展示されたスケッチなどを見て感じたことは、

当たり前なのですが、ほんとうに絵が上手いということ。

インク画の線の、なんともいえないライン、そして緻密さ。

こんな絵が描けて、こんな物語が書けるヤンソンの才能に、

めちゃめちゃうらやましさを感じるとともに、揺るぎない自尊心を持ち、

自然を愛し、自由に気ままに生き抜いた姿勢には、ほんとうに感服します。

そんなヤンソンの人となりを作り上げたのは、やはり芸術家であった両親と、

森と湖の国、フィンランドの自然だったのだと思います。

展覧会の後、トーベ・ヤンソンの自伝的短編小説『彫刻家の娘』を読んだのですが、

そこでのキーワードも、やはり“幸せな子ども時代”でした。

空想が好きで、冒険が好きなヤンソンの子ども時代は、

まさにムーミン谷での生活そのまま。

ムーミンパパもムーミンママも、スナフキンもいる。

いくつかのエピソードは、ムーミン童話の中に生かされていました。

幸せな子ども時代の記憶。

そしてその思い出を、過去のものとしてではなく、自身の生の基盤とすることで、

終生、少女のように、子どものように、空想を、冒険を楽しんで生きた。

それが、トーベ・マリカ・ヤンソンだったのです。

ちなみに、この展覧会のチラシに書かれていたキャッチコピーは、こんな感じ。

 

「コドモだった昔も。

オトナになった今も。」

 

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2009年5月10日 (日)

おかしくて可愛い不思議な世界

大きな鏡の前で、たぶたぶの豹柄のパンツをはくうさぎ。

からだをピンと伸ばして緑色の池にダイビングする豚。

物干しにつるされながら歌をうたうクマ。

エリザベスカラーをつけた犬。

ペンギンの形のペロペロキャンディーをなめるシロクマ。

それから、それから・・。

どれもこれも、ユーモラスでかわいくて。

 

ドイツの画家、ミヒャエル・ゾーヴァの日本では二度目となる展覧会。

「描かれた不思議な世界 ミヒャエル・ゾーヴァ展」

松屋銀座店にて、5月11日まで

すべり込みで行ってきました。

 

ゾーヴァの絵は、絵本やポスター、そして映画の中で観たことがありました。

絵本は『エスターハージー王子の冒険』

(作・イレーネ・ディーシュ、ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー)

ちいさなうさぎの王子を主人公にした物語に、ゾーヴァが挿画を描いたものです。

そう、豹柄のパンツをはいた姿を鏡に映してみるうさぎが、エスターハージーです。

落ちついた、どちらかと言えば暗い色調。

うさぎのちいささを大胆に表す構図のおもしろさ。

それでいて、どこかあたたかみのある質感。

実際、展示された原画を見ると、絵本の挿絵などは思っていた以上に小さい絵で、

つまりその小さな絵の中で、さらにちいさなうさぎや人物を細かく描いているのです。

挿絵以外で、かなりの大作である「箱舟」にしても、箱舟自体はほんとうに小さくて、

背景となる荒れ狂う暗い海の百分の一くらいじゃないかと思うほど(オーバーかも)。

それくらい、構図的に大小の比較が極端な絵が多くて、

そんなところにもゾーヴァのこだわりがあるのか、ないのか。

小さな箱舟の中には、さらにちいさな動物達がひしめいていて、

でも、それがおもしろくて絵に顔をくっつけるようにして、しげしげと眺めてきました。

そんな小さな世界に、ゾーヴァの遊び心がいっぱいつまっていて、

見過ごしにはできないわけです。

ゾーヴァには風刺画家という一面、というか、もっとも彼らしい一群の作品があり、

これらは、かなり毒もあります。ちょっと品の悪いものや、

怖い感じのものもあったりするのですが、でも、いつもどこか面白みがあって、

クスッと笑ってしまいます。

独特の風刺、ユーモアの感覚が、キャッチーで広告的ということもあるけれど、

もちろん私的には、絵本の挿絵に感じられるようなかわいらしさが好きです。

映画『アメリ』で、アメリの部屋にあった、ブタのスタンドや、

エリザベスカラーをつけた犬の絵も、オシャレでかわいいアメリの世界にピッタリ。

展覧会で、ゾーヴァ熱が上がったと同時に、『アメリ』をまた見たくなって、

帰りにはTSUTAYAに寄ってしまいました。

久しぶりに見たら、ブタのスタンドやエリザベスカラーの犬が、

「アメリは恋をしたのかな?」なんて、心配そうに話したりしてた!

かわいい・・。あのスタンド、マジで欲しいけれど自分の部屋には合いそうもないし。

ついでに書いておくと、『アメリ』はオシャレでかわいくて、大好きな映画。

アメリ役のオドレイ・トトゥも最高にキュート!

『アメリ』(2001・フランス)

監督:ジャン・ピエール・ジュネ

出演:オドレイ・トトゥ

 

大好きな画家さんが美術を担当した大好きな映画、ということでは、

もうひとつ、ニック・パークのウォレス&グルミットシリーズの、

『野菜畑で大ピンチ!』の背景画を担当したのもゾーヴァでした。

巨大ウサギが登場するアレですよ。

 

会場では、ゾーヴァのインタビュー映像なども流れていましたが、

依頼された絵を仕上げた後に、原画に上塗りして原型をとどめない状態にしてしまう、

という悪癖など、子どものような天才画家ならではのエピソードや、

ほんとうに絵を描くことが好きなんだなという印象を含め、

ゾーヴァのことがもっともっと知りたくなりました。

自分もそれほど彼の作品を観ていないことも改めて知ったので、

これからしばらくは、ゾーヴァの既出の作品をひろっていくつもり。

まずは絵本で『ちいさなちいさな王様』『クマの名前は日曜日』を読もうかと。

それから、ゾーヴァとは離れますが、話のついでに。

 
ウォレス&グルミットシリーズの最新作が、7月に公開予定です。

『ベーカリー街の悪夢』(2008・イギリス)

<特別同時上映>『チーズ・ホリデー』『ペンギンに気をつけろ!』『危機一髪!』

7月18日(土)夏休み、焼き立てロードーショー!

今回はパン屋になったグルミットたちが「パン屋さん連続殺人事件」に巻き込まれる、

ヒッチコックばりのサスペンス・コメディだそうです。

楽しみ~。

 

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