幸せな子ども時代(その2)
「展覧会」というカテゴリーを作りながら、ゾーヴァ展だけなのは、あんまりなので。
というか、そもそも、この展覧会に行く予定だったので、立てたようなものなので。
もうとっくに終わってしまっていますが、
「ムーミン展」
2009年4月29日-5月18日 大丸ミュージアム・東京
もちろん行ってきました。最終日に。
今回の展覧会は、日本・フィンランド修交90周年の記念のもので、
フィンランドのタンペレ市立美術館・ムーミン谷博物館に所蔵されている、
トーベ・ヤンソンによる原画やスケッチなど約170点が展示されました。
ほんとうは、ヤンソンのパートナーであるトゥーリッキ・ピエティラらの手になる、
ムーミン屋敷の立体模型も展示されると誤解していて、
いちばんの楽しみにしていたのですが、展示されていたのは、
ムーミンの立体模型で、もちろんこれも門外不出、
日本初公開の貴重品ではありました。
それにしても、あらためて展示されたスケッチなどを見て感じたことは、
当たり前なのですが、ほんとうに絵が上手いということ。
インク画の線の、なんともいえないライン、そして緻密さ。
こんな絵が描けて、こんな物語が書けるヤンソンの才能に、
めちゃめちゃうらやましさを感じるとともに、揺るぎない自尊心を持ち、
自然を愛し、自由に気ままに生き抜いた姿勢には、ほんとうに感服します。
そんなヤンソンの人となりを作り上げたのは、やはり芸術家であった両親と、
森と湖の国、フィンランドの自然だったのだと思います。
展覧会の後、トーベ・ヤンソンの自伝的短編小説『彫刻家の娘』を読んだのですが、
そこでのキーワードも、やはり“幸せな子ども時代”でした。
空想が好きで、冒険が好きなヤンソンの子ども時代は、
まさにムーミン谷での生活そのまま。
ムーミンパパもムーミンママも、スナフキンもいる。
いくつかのエピソードは、ムーミン童話の中に生かされていました。
幸せな子ども時代の記憶。
そしてその思い出を、過去のものとしてではなく、自身の生の基盤とすることで、
終生、少女のように、子どものように、空想を、冒険を楽しんで生きた。
それが、トーベ・マリカ・ヤンソンだったのです。
ちなみに、この展覧会のチラシに書かれていたキャッチコピーは、こんな感じ。
「コドモだった昔も。
オトナになった今も。」
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