大騒ぎの人生賛歌
特に観たかったわけではないのですが、諸事情が重なり、観てきました。
本日封切りの映画『マンマ・ミーア!』。
がんばりすぎると嫌味になりがちなメリル・ストリープが主演だし、
ABBAの音楽が特に好きってわけでもなかったのですが、
思いのほか楽しくて、けっこう涙ボロボロでした。
まわりの人は、たぶん誰も泣いてなかったと思うけど。
なぜだろう・・・(ドット・ドット・ドット)。
『マンマ・ミーア!』は、大ヒットしたミュージカルの映画化で、
1970年代から1980年代初めにかけて一世を風靡した、
スウェーデンの4人組のグループABBAのヒット曲のみで綴られた、
ジュークボックス・ミュージカルと呼ばれるジャンルの作品です。
日本でも、ユーミンとか竹内まりやの曲を使ったミュージカルがありましたよね。
ああいった、既成の曲だけで作られるミュージカルのことを、
「ジュークボックス・ミュージカル」というのだそうです。
この『マンマ・ミーア!』のミュージカル版は、劇団四季も上演していますが、
スターシステムではない四季のミュージカルには、あまり乗れない質なので、
ちょっと敬遠していました。
しかし、今回映画版を見て、これは絶対にスターシステムでやるべき作品!
との思いを強くした次第です。
といっても宝塚的ではないのですが、なんといっても、
年甲斐もなく(失礼!)バリバリ歌って踊るメリル・ストリープ、
恥ずかしげもなく愛を歌い上げちゃう、007ピアーズ・ブロスナン、
ハリウッド大スターのハッチャケぶりを見るに及び、
これは地味じゃダメ、ド派手にスター・オーラ全開でこそおもしろいと実感。
だってもう、メリルがギラギラの衣装で「ダンシング・クイーン」歌っちゃうんですよ~。
「なんたって17歳なんだも~ん」てな歌ですよ~。
もう、楽しくてたまらないです。
一歩間違えば、宴会芸かスターかくし芸大会のノリなんですが、
そこは、もう演技派女優の代名詞のような方ですし、
また歌が上手いんですよ。泣かせるんだよな~これが。
とくに、女手一つで育ててきた娘を嫁に出す母の思いを歌う場面なんて、
もう号泣しちゃいそうで、恥ずかしかった(誰も見てないけど)。
ストーリーは、ギリシャの島でホテルを営みながら育て上げた一人娘が、
いよいよ結婚することになり、母親の友達、娘の友達らが島にやってきます。
その中に、三人の男達の姿も。
実は彼らは、母親が若い頃に関係した男達で、つまり娘の父親の可能性が。
娘は、どうしても父親にバージンロードをエスコートしてほしくて、
母親に内緒で三人の男性に結婚式の招待状を送ったのです。
で、結婚式の前日から当日までの2日間の大騒ぎのドラマが始まるわけです。
監督は舞台版の演出も手がけた方のようで、映画は初めてらしいですが、
とにかくABBAの音楽が見事にストーリーにはまっていて、
ギリシャの風景ともども、なんともおおらかな人間賛歌、人生賛歌、
恋もセックスも全肯定の、老いも若きも楽しまなくちゃ損よ!っていう精神に貫かれた、
理屈抜きのバカバカしいくらいに陽気な作品にしあがっているのです。
とにかくメリルやピアーズ・ブロスナン以外にも、中年以上の方々が、
「ダンシング・クイーン」だ、「チキチータ」だ「SOS」だ、
もう臆面もなく歌い踊る様を見ていたら、
同じアホなら踊らにゃ損々っ、という気にもなってくるわけで。
もちろん、ここで引く人は、きっとど~んと引くと思いますけど。
最後にもダメおしで、おばさん三人組とおじさん三人組が、
ギンギラギンの衣装で歌ってくれます。
ここは、熱海の宴会場か、ラスベガスのショーか(えらい違いですが)って。
いや、楽しみました。
日本版、大竹しのぶとか渡辺えりとか歌えるよな~、とか、
父親候補の一人は鹿賀さんとか市村さんかな~とか、
配役を考えてみるのも一興かも。
『マンマ・ミーア!』(2008・英・米)
MAMMA MIA!
監督:フィリダ・ロイド
脚本:キャサリン・ジョンソン
出演:メリル・ストリープ、ピアーズ・ブロスナン、アマンダ・セイフランド


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