The Ferret Chronicles 完結
「消えゆく運命にあった文明が一匹のたったひとつの行動によって
息を吹き返す物語」(リチャード・バック)
老年を迎えた、かつての世界的ベストセラー作家リチャード・バック。
「かもめのジョナサン」、誰でも知っていますよね。
でも、彼が新たに生み出した壮大な歴史物語(?)、
「フェレット物語」を知っている人は、たぶん、あまりいないんだろうな。
だって、昨年刊行がはじまったときには、たしかにハードカバーの、
きれいな装丁の単行本「フェレットの冒険」として、シリーズ最初の2作、
「海の救助隊」と「嵐の中のパイロット」を手にしたはずなのに、
今年刊行された3冊は、初めから文庫だった!
いかに最初の2冊が売れなかったかということでしょ。
たしかに、単にフェレットを主人公にした童話風の物語というのでもなく、
哲学っぽかったり、ファンタジーだったりと、一筋縄ではいかない、
妙な物語ではありました。
そもそも、リチャード・バックがペットのフェレットを見ていて思いついた、
というほのぼのとしたイメージで始まりながら、
今回のシリーズ5冊目の最終巻では、フェレットがどこから来たか、
という世界の始まりの物語になっていたり、戦争の記憶やら、ロケットやら、
とにかく予想を超える展開になっての完結だったりして、かなり戸惑い気味。
自分としては、擬人化されたフェレットのかわいらしさと、
第1作「海の救助隊」では海難救助隊、第2作「嵐のなかのパイロット」ではパイロット、
第3作「二匹は人気作家」では作家、第4作「大女優の恋」では映画女優と牧場主、
そして第5作「名探偵の大発見」では超能力を持った探偵というように、
フェレットがさまざまな職業において、「最高の正義」を発揮して、
成長していく姿が、まっとうに、すこぶる健全に描かれていて、
とてもすがすがしい気分で毎回楽しませてもらっていたわけです。
もちろん、そのように読んでいて全然OKだとは思うのですが、
とにかく第5作は、ちょっと難解、かなりの飛躍・・・。
でも、やっぱり、なんだか好きです、このシリーズ。
完結といわず、また密かに再開されることを祈っています。
でも文庫よりもさらに・・・、って携帯小説とかになったら正直嫌ですけど。
ま、そんなことにはならないでしょうけどね。
70歳を越えているらしいけど、がんばれリチャード・バック!
「フェレット物語」Ⅰ~Ⅴ(新潮文庫)
リチャード・バック著 法村里絵訳


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